2009年10月31日
「今日の風、なに色?」感想

著者:辻井 いつ子
販売元:アスキー
発売日:2000-09
おすすめ度:

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この本、読み終わりました

今日は四ツ谷に用があったのですが、往復の電車の中で一気に読んでしまいました。
こんなに夢中になって読んだ本は久しぶりです。
最初に言ってしまいますが、この本、絶対おすすめです

ただ単に「感動した」で終わりません。
読み終わったら「生きる希望が湧いてくる」、そんな本です。
この本は、いつ子さんの日記をもとに当時を回顧する形で書かれています。
伸行さんが0歳から12歳までの出来事が書かれているのですが、とても素人とは思えない文章に、ぐんぐん引き込まれてしまいます。
たしかに苦労話も書かれているし、きれいごとばかりでもありません。
特に伸行さんが生まれてから3年くらいは、つらいことが多かったそうです。
「つらいこと」と一言で言ってしまうことなどできないような内容です。
それでも、いつ子さんは伸行さんの障害を受け入れ、次第にこう思うようになったそうです。
何かひとつ、この子がこの子らしく生きていけるものがほしい。
何かひとつ、この子が自信を持てるものを身につけてほしい。
そして、生まれてきてよかったと思えるような人生をこの子に歩んでほしい。
結果的にそれは「ピアノ」だったわけですが、この言葉って障害を持っていなくてもあてはまると思いませんか?
子供に願うだけではなく、大人だって「生まれてきてよかったと思えるような人生」を歩みたいですよね。
それは、何歳からでも可能なんじゃないかとこの本を読んで思いました。
いつ子さんの素晴らしいところは、ひらめきや出会いをとても大切にして、積極的にチャンスをつかんでいったところだと思います。
障害を持っているということで内に篭らず、どんどん外に出て行きます。
モスクワでコンテストの出場者を募集しているという小さな新聞記事を見て、かけたことのない国際電話をかけて応募したり・・・
そういう機会を積極的に作っていくことで、伸行さんは「たくさんの人に認められる喜び」を感じるようになっていったのです。
「あ〜やっぱり前向きに生きていれば、道は開けるのかもしれない」
ある日のいつ子さんの日記の中の言葉です。
まったくそのとおりだと思いませんか?
前向きに生きていれば、チャンスも逃さないし、良い出会いもあります。
うつむいていたらチャンスも見えないですよね。
彼は天才だったから?
もちろん、才能は桁外れだと思いますが、それだけではないと思います。
私たちは誰でも、希望に満ちた輝かしい人生を歩める可能性を持っているんじゃないでしょうか。
あとがきにあった神山さんという作家の方の言葉もとてもよかったのでご紹介します。
人は、生活年齢を積み重ねるごとに、新しいものにチャレンジすることがうっとうしくなります。
まして自分自身を変えたり、思考パターンや行動パターンを変えることには臆病になりがちです。
その結果、人は死ぬまでに脳の数%しか使えないといわれています。
けれど日々新しいことにチャレンジしていくということは、過去の自分を見直し、新しい自分をイメージし、脳の新しい領域を刺激していくことになります。
「人は成熟すると若くなっていく」ヘッセ
とにかく、この本を読んでください。
仕事でも、趣味でも、なんでもいいです。
もっと「オリジナルな人生」を歩みたくなる本ですよ

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