2007年09月26日
ホームレス中学生

泣けました。
都内の大きな書店2軒で売り切れだと言われ、やっと3軒目で買うことができ、電車の中で一気に読みました。まだ全部は読み終わってないんですけど、とにかく泣けます。
電車の中では涙を必死にこらえましたけど、降りたらぼろぼろ泣けてきました(T_T)
「麒麟の田村」なんて呼び捨てにできなくなります。
初めて「中学生のときホームレスだった」という話を聞いたとき、単なるお笑いのネタだと思いました。大げさに言っているんだろうと。でも本を読んでみたら違いました。
「解散」というお父さんの一言で一家が離散したという話はみなさんも聞いたことがあると思います。詳しい事情は知らなかったんですけど、普通に考えたらひどい話じゃないですか。子供たちを捨てて逃げてしまうなんて。どうせギャンブルか何かで借金でも作ったんだろうと勝手に想像していました。
どうしてこの本を読みたくなったかというと、昨日のテレビを見たからなんです。
見た人もけっこういると思うんですけど、FBIの超能力捜査官とかいう人が、田村さんの行方不明のお父さんを透視で探すというものでした。10年間、生死もわからない、お父さんを。
その超能力捜査官の透視によって、お父さんの居場所がわかったんです。それで、田村さんがお兄さん、お姉さんと3人で突然尋ねて行くんです。話がうますぎると思う人もいるかもしれませんけど、田村さんが見たこともないような真剣な表情だったのでやらせではないと私は思いました。
初めは拒絶していたお父さんが、自分が父親だと認めたとき、3人の兄弟はなんて言ったと思います?
「お父さん、生きててくれてよかった!!」と言って泣いたんです・・・
予想外の言葉でした。「どうして僕たちをおいて逃げたの?」とか「10年もなんで連絡くれなかったの?」とか、当然そういう言葉だと思っていたんです。もし自分だったらきっとそう言うんじゃないかと・・・
でも違ったんです。
その言葉を聞いて涙が出てきました。
自分たちをおいて逃げ出した父親を一言も責めない、この子供たちはいったいどんな人生を歩んできたんだろうと思いました。恨んでも、憎んでもおかしくないじゃないですか。それなのに、10年間父親への愛情を持ち続けていたなんて・・・
想像を絶するような過酷な状況の中、兄弟は必死に生きてきたんです。
「生きる」ということを普段私たちは真剣に考えていませんよね。生きているということが当たり前だと思っています。自分の力で生きてきたような気さえしています。
でもそうじゃないんだと、この本を読んで思いました。
高校生の頃、田村さんは死にたくてたまらなかったそうです。どうせ生きていてもいいことなんかないから、亡くなった大好きなお母さんのところへいきたいと思っていたそうです。そんな彼が、「生きたい」「誰かの役に立ちたい」と思うようになっていく・・・泣けます(T_T)
最近は子供が親を殺したり、親が子供を殺したり、そんな信じられない事件が多いですよね。昔はそんな事件、めったになかったような気がするんですけど。
親も子供も忙しくて接する時間が少ないとか、ストレスが多くて自分のことで精一杯だとか、いろいろ原因はあるんでしょうけど。
たとえ世界中の人が子供を悪く言っても、親だけは信じて、守ってあげる。そんな無償の愛に包まれて子供は成長し、人を愛することを学んでいく。親子ってそれが理想ですよね?
とはいえ親も人間なので(私を含めて)未熟なところもあるし、間違うこともあります。だめな親だなあと自己嫌悪に陥ることもあります。
でもいつも根底に子供への愛情があれば、子供ってわかってくれるものだと思うんですよねぇ・・・
…とえらそうに書いてしまいましたが、とにかく良い本なので読んでみてください。
生きるって素晴らしい。家族って素晴らしい。そう思わせる本です。
追伸
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